英語を速読速聴するために。返り読みを矯正する方法
「使える英語」を身につけたい、と誰もが思うことでしょう。
では、「使える英語」って何かというと、「ある程度のスピードで英語を処理できる能力」と言い換えることができます。
速く読んだり、聴いたりできるようになれば、世界が広がります。
色んなところから、趣味、娯楽、ビジネス、ニュース、などの生きた情報をどんどん取ることができます。
そんな「使える英語」、つまり、英語を速読速聴するための力をつけるための必須条件とは?
それは「返り読み」をせずに英文を頭から理解する能力です。「英語を英語のまま理解する力」と言うこともできます。
正確な日本語訳が求められる場面を除いて、「返り読み」ほど害になるものはありません。
まだ返り読みしないと読めないっていう人は、これを機に是非、そのクセを矯正しましょう。
[ad#co-up]
返り読みとは?
念のために、返り読みとはどんなものか、確認しておきましょう。
例えば、下の英文を見てみて下さい。
「What is the purpose of this study? (この勉強の目的は何でしょうか?)」
この文を読むときに、いちいち日本語に訳してはいけません。少し慣れた人なら日本語に訳さなくても、英語のまま意味が取れると思います。
でも、慣れていない人は、日本語に訳してから意味を理解すると思います。
そのとき、
「この勉強(this sduty)の(of)目的(the purpose)は(is)なんでしょうか(What)?」
と英語を日本語の語順に並べ替えることになります。これが返り読みです。
日本語と英語とでは、単語の並び順が逆ですね。つまり、英文では後ろに来る「this study」が日本語では先頭に来ます。
日本語に訳しながら読むということは、英文の後ろから、前に向かって読むことになります。このため、この読み方は、返り読みと呼ばれます。
[ad#co-mid]
返り読みがもたらす害
読む時にいちいち後ろから前に戻って読んでいると、とても時間が掛かりますね。
これが、返り読みの大きな害です。
勉強の初めの頃は、後ろから訳しながら読むのも、文章の構造を理解する上で役に立ちます。
また、正確な日本語訳を求められる場面では有効です。
でも、返り読みをしていては、速読は不可能です。
処理スピードという観点からは、非常に非効率なのです。
さらに問題なのは、リスニングの弊害にもなる点です。
リーディングの場合には、返り読みができるので時間を掛ければ難解な文章でも読むことができます。
しかし、リスニングの場合には、どんどん文が流れていくので、もはや返り読みすることもできません。
返り読みのクセがあるとリスニング力の向上も妨げられてしまうのです。
逆に、「英文を日本語に訳さずに、文章の頭から理解する」という感覚を身につけることができれば、飛躍的にリスニング力を向上させることができます。
返り読みせずに読むためのポイント
返り読みせずに文章を読むための、一番の基本はなんでしょうか?
それは、文を頭から読んで行った時に、瞬時に文の構造を理解する感覚です。もっと簡単にいうと、英語の語順に慣れる、ということです。
ご存知の通り、英文は5文型のどれかの型にあてはまります。SVOCとかSVOOとかいうやつです。
でも、ここでは5文型のそれぞれが、どんな形だったかを復習しなくてもいいです。
とりあえず、まず気にして頂きたいのは、文の構造を決める最大の要素は、主語(S)と動詞(V)である、ということです。
文を頭から読んでいったときに、どれが主語で、その主語に対応する動詞がどれなのか、ということがすぐに捉えられれば、文の構造はほとんど把握できたようなものです。
これが、感覚的に分かるようになることが、返り読みをしないためのポイントです。
1文が長い文章というのは、一つの名詞に色んな修飾語がくっついていて、どれが主語でどれが動詞なのか見失いがちです。すると、返り読みして文の構造を確認するところからスタートしてしまいます。これを無くして、英語の語順に慣れることが返り読み矯正の第一歩です。
例えば、修飾節に関係代名詞や分詞などが使われると、1つの文章中に見かけ上、動詞が複数出てきます。でも、主語に対応する動詞は、基本的に1文に1つです。これを瞬時の捉えることができれば、どの部分が修飾で、どの部分が骨格なのか、という文の構造が分かります。
まずは、1文が短いものから始めましょう。短い文であれば、文の骨格(主語、動詞)を見失うことはありません。短い文を日本語に訳さないで読む。訳さなくても意味が分かるレベルまで繰り返しトレーニングして、英語の語順に慣れましょう。
短い文で英語の語順に慣れて、英文の骨格が感覚的に分かるようになると、長い文でも、だんだんと返り読みせずに読めるようになってきます。というのは、基本的に文が長くなっても、文の骨格の型は、文が短い場合と同じだからです。長い文というのは、修飾の部分が色んな形で付いているだけです。
文を読む時に「どれが主語で、その主語に対応する動詞がどれか」を捉える練習をすると、返り読み矯正に効果的です。
まずは、文を頭から読んで、日本語に訳したい気持ちを抑えて「誰が(何が)何をした」ということだけをイメージで捉えるようにしましょう。これだけで十分です。これで、返り読みのクセを排除することができます。
細かい修飾の部分は、最初は意味が取れなくても無視して構いません。間違っても日本語に訳そうとしないで下さい。
慣れてくると、文の中で、どれが主語で、どれが動詞で、どこが修飾の部分で、ということがブロックとして感覚的に分かり、文の頭から読んだときに意味が取れるようになってきます。
[ad#co-mid]
返り読み矯正に適した教材
短い文は、わざわざ返り読みして日本語に訳さなくても文の意味を理解できます。
逆に「返り読みしたくなる文」は、関係代名詞や分詞など、英語特有の修飾が使われている文です。名詞が後ろから修飾されるので、ついつい、返り読みしたくなってしまいますね。
文法などをある程度理解していて、時間さえかければ文章を読めるという人は、このような「返り読みしたくなる文」を使って、できるだけ日本語に訳さないで読む練習をすると効果的です。
私の経験では、ニュース英語を読むのが効果的でした。ニュース英語では、短い文でも、英語らしい修飾表現が満載なので、英語の語順に慣れるのに適しています。
自分が読んでみて良かった書籍は、「1日1分英字新聞」です。
この書籍では、長くはないけど、少し骨のある文が紹介されています。
これを出来るだけ日本語に訳さずに、返り読みせずに読む練習をしたところ、英文を読む感覚に変化が現れ、文を頭から英語のまま理解するという感覚が分かるようになったのです。
量も値段もお手軽なので、興味がわきましたら、手に取ってみてはいかがでしょうか。
最近のものは読んでいないのですが、シリーズで何冊も出ていますので、評価の高い書籍と言えるでしょう。
今日はこれで。
[ad#co-low]
[ad#co-rel]